最高の一枚を、あなたに。
ふとした瞬間や自然体には、
その人の想いや普段とは違った一面が
表れる瞬間があります。

生きた証は過ごした大切な人の心に残るものですが、
そういった写真もまた、
「あなたにしか描けない自分史」そのものだと思うのです。
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生前、母に贈った1枚。

母に膵臓がんがあることがわかってから数ヶ月。
私たち家族でうどん屋さんに行った時に撮影した1枚です。

この日はなんとなく胸騒ぎがして、「お母さんを撮らなきゃ」と
カメラを抱えて家を出たことを今でも強く覚えています。

そしてこれが、母と食事をともにできた最後の写真になりました。


食べ終わった後
家族写真を撮るような雰囲気を出しながら、
母の姿を焼き付けました。

その写真を取り終わった後、
母に見せると一言。
「これ、遺影でいいわ。」

後日、母のお葬式が終わった後に
親戚の喫茶店で
横に母の遺影となった1枚の写真を添えながら
家族で集まって話していると、

この写真、今にも話しかけてくれそうだと
言ってもらえました。

母と共に作り上げた
最後の舞台

秋にその後は岡山で闘病生活。

ビタミンの点滴を受けていましたが、
やがては固形物を食べることもできなくなる。

そんな中、母の意識がはっきりしているうちに
エンディングノートを手渡しました。

「どうせあなたは死ぬんだから」みたいに言ってるような気がして渡すか悩みましたが、母の最後の望みをどうしても知りたかったのです。

時間は過ぎ、自分の身体で動けなくなった母の希望で
神戸の家に帰り、何十年かぶりに家族みんなで過ごしました。

ある日、急に「葬式はこういう演出でやってな」と
私に母が言い残します。

その2日後に、母は亡くなりました。

冬だったから、見送りに春の花は用意できなかったけれど、
写真も母自身が選んでくれてよかった。

もし、自分だけで選ぶことになっていたら
「これが本当に母が望んでいた見送りだったんだろうか」
なんて気持ちをずっと引きずっていたかもしれません。

森の撮影会での一幕。

秋に「森の撮影会」というイベントを催しました。
これは、その時来てくださった社長さんのお写真です。

盛り上げながら写真撮影していると
社長さんもノリノリになって、いろんなポーズを取ってくれた。

気がつくと、最初は固まっていた目の前の人は
肩の力が抜けたように、楽しげな姿を見せてくれました。

それは、お仕事中の凜とした社長さんとはまた違った一面で、
毎日過ごしている都会の喧騒から離れて、
ぱーっとリラックスしていらっしゃるのが伝わってくる笑顔。

普段とは少し違った自然体の「社長さんらしさ」を
感じられるお写真になりました。

「最高の一枚」の
きっかけとなった写真。

桜は咲いているけれどもまだ澄んだ肌寒い空気が残っている春先。
とある女性にお写真の撮影をお願いされました。

仲のよい姪っ子さんやご兄弟がいらっしゃって、ご自身が亡くなった時に困ることのないように
生前の遺影撮影をしたいとのご依頼でした。

そのような見方で写真撮影をすることは初めてでしたが、

これがきっかけで「1番輝いていて美しい瞬間を切り取れば、
生きた証として残り続けるものになるのではないか」そう思い至り、
「最高の一枚」の撮影を始めるきっかけになりました。

こちらを2022年4月のグランドフォトステージという
祭典に出させて頂きましたが、
かなりの反響をいただくことができました。

ハンガリーの八百屋さん。

ハンガリーのショッピングモールでたまたま出逢った八百屋さん。
そこで撮らせて欲しいと私が直接お願いし、切り取った一枚です。

スナップ写真でパシャリと撮った自然体。
優しそうでチャーミングな人柄が伝わってくる写真になったと思います。